大学のコンピュータにはRとRStudioがインストールされているので、大学のコンピュータを使う場合はこのページの内容を読む必要はない(はず)。

また、自分のノートパソコンにインストールしたいが、以下の内容を読んでもインストールできないという者は、パソコン持参で質問に来てください。

インストールせずに使いたい場合は、ウェブブラウザでRStudio Cloud が利用可能。

Rのインストール

R は CRAN (Comprehensive R Archive Network) のミラーサイトで入手できる。 例えば、東京には統計数理研究所 (ISM) のミラーサイト があるので、それを利用しよう。 サイトから自分のコンピュータに適したバージョンのRを選び、ダウンロードする。 現時点では、R-3.5.1 (Feather Spray) が最新バージョンである。 ダウンロードが完了したら、他のソフトをインストールするときと同様の手順でRをインストールする。

インストール手順についてより詳しく知りたいなら、YouTube で以下のビデオを参照されたい。

Macユーザは、Homebrew でインストールすることもできる。Homebrew をインストールした後、ターミナルで、

brew tap homebrew/science
brew install R

を実行すればよい。

XQuartz (Mac用)

Macユーザは、XQuartz もインストールしたほうがよい。手順は以下の通りである。

  1. このページ に移動する
  2. XQuartz-2.7.11.dmg をダウンロードする
  3. ダウンロードしたディスクを開き、XQuartz.pkg をクリックする
  4. 表示される指示に従って XQuartz をインストールする。


RStudio のインストール

RStudio は、Rのために作られた統合開発環境 (integrated development environment: IDE) である。Rを用いたデータ分析プロジェクトは、最初から最後までRStudio上で行うことを推奨する。 RStudio を使えば、Rコマンドのタイプ、データセットに含まれる変数の確認、複数の図の比較、Rコマンドや図表を含んだレポートの作成などが比較的簡単に行える。

RStudio はR本体ではないので、必ずしも使う必要はない。 他のIDE やお気に入りのテキストエディタがあるなら、RStudio の代わりに使っても構わない。 私は、自分の研究では Emacs 上で ESS を使っている。 私はEmacsを学生のときから使っているので、RStudio よりEmacs のほうが使いやすい。 これは単に慣れの問題である(たぶん)。 現時点でお気に入りのエディタがないなら、RStudio をお勧めする。

RStudioは ここ で入手できる。 ページに移動したら、まずビデオを見て欲しい。 ビデオを見たら、自分のコンピュータに適した Open Source の Desktop バージョンををダウンロードする。


RとRStudioの設定

Rの試運転

RとRStudio がインストールできたら、(Rではなく)RStudioを開いてみよう(RStudio を使わない場合は、Rそのものを開いてよい)。 RStudio 内の左側の窓にある Console で、プロンプト(“>” というマーク)の右側にRのコマンドをタイプすれば、Rを使うことができる。

試しに、簡単な計算をしてみよう。

## [1] 7

正しい答えが得られないときは、教員に助けを求めるように。

Macだと、以下のようなメッセージが最初のプロンプトの前に表示されるかもしれない。

  • “You’re using a non-UTF8 locale, therefore only ASCII characters will work”

このメッセージを消すためには、まず、コンソールで q('no') (注: ‘no’ は、現在の作業環境を保存「しない」という意味である。保存「する」ときは ‘yes’ に変える)とタイプし、一旦R(RStudio)を終了する。 次に、ターミナル(コマンドプロンプト)を開き、以下を入力する。

defaults write org.R-project.R force.LANG en_US.UTF-8

ここで、再度RStudio を開くと、メッセージは消えるはずである。

RStudio の環境設定 (Preferences)

RStudio の環境は、(ある程度)自由に設定することができる。 設定を変えるには、メニューバーの “RStudio” -> “Preferences” をクリックする。

この授業では、以下の設定を推奨する。

General

“Default text encoding” を UTF-8 にする。 すべてのプロジェクトで、常に UTF-8 を使うのが安全である。

Code Editing

以下のチェックボックスにチェックを入れる。 - Show line numbers - Insert space for tab(tab width は 2 または 4にする) - Insert matching parens/quotes - Auto-indent code after paste - Vertically align arguments in auto-indent - Show syntax highlighting in console input

Appearance

自分の好きな等幅フォントを選ぶこと。 フォントサイズは、ディスプレイのサイズに適したものを選ぶ。 エディタのテーマは、見やすいものに変える。

日本語Macユーザにお勧めのフォントは Ricty である。詳しくは ここここ を参照されたい。


.Rprofile

R のオプションは、options() 関数で設定できる。 例えば、 Macユーザがグラフィックデバイスに “quartz” を指定するときは、

と入力する。

この方法で様々なオプションを指定できるが、毎回同じオプションを使うなら、Rを開くたびに同じコマンドをタイプするのは面倒である。そういうときは、オプションを .Rprofile に記入すればよい。 ドットファイル(ファイル名が “.” から始まるもの)は、ソフトウェアの設定を保存するために使われる。 Rは、新しいセッションを開始する際、ホームディレクトリにある .Rprofile を自動的に読み込むので、毎回使う設定はこのファイルに書き込んでおこう。

ファイル名は、厳密に .Rprofile でなければならない。拡張子もつけてはいけない(つまり、“.Rprofile.txt” や “.Rprofile.R”ではダメ)。 そして、ファイルは自分のコンピュータのホームディレクトリに保存する。Macの標準的なホームは、 /Users/YOUR_USER_NAME/ である。 Windows(7, 8または10)、はおそらく C:/Users/YOUR_USER_NAME/ だと思われる(Windows のことはよく知りません)。

Macは、ドットファイルを隠しファイルとして扱うので、ファインダ上に.Rprofile は表示されない。 隠しファイルを表示するには、ターミナルで以下をタイプする。

defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles TRUE
killAll Finder

これで、すべてのドットファイルが表示されるようになるが、.Rprofile 以外のドットファイルを誤って編集しないように注意すること。

ドットファイルを再び非表示にするには、ターミナルで

defaults write com.apple.finder AppleShowAllFiles FALSE
killAll Finder

と入力する。

これ が私の.Rprofile である。 ダウンロードして、適切な名前に変えてからホームディレクトリに保存すればそのまま使える。 ただし、Windows ユーザは中身をよく確認し、不要な行を削除してから使うこと(ファイルを開いてみればすぐにわかるはず)。

Rパッケージのインストール

Rの利点の1つに、他人が作成した関数を利用できるという点がある。 通常、作成された関数はパッケージ として提供され、私たちはパッケージをインストールして便利な関数を使うことができる。

この授業で使うパッケージをいくつかインストールしてみよう。 パッケージのインストールには、install.packages() という関数を使う。 plyr パッケージは、以下のコマンドでインストールできる。

.Rprofile に使用するミラーサイトを書き込んでいない場合は、次のようにしてミラーを指定する。

これでパッケージのインストールはできた(はず)。 インストールしたパッケージを使うときは、library("plyr") のようにする。

授業で使うパッケージを、以下のコマンドでインストールしてみよう。

devtools パッケージを使えば、開発版のパッケージを使うこともできる。


これで、RStudio上でRを使う準備はできた。 R入門 に移動し、Rの使い方を覚えよう!

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