5  まとめ

今日の目標

5.1 準備

まず、Overleaf で新しいプロジェクトを作り、前回同様、日本語の文書が作成できるように設定する (前回作ったプロジェクトをコピーして新しいプロジェクトを作るほうが簡単)。

次に、LaTeX文書のプレアンブル(\begin{document}より上の部分)に以下の2行を加える。

\usepackage{hyperref}
\usepackage{tikz}

5.2 図の挿入

今後のレポート作成では、図 (figure) や表 (table) を使うことになるだろう。 たとえば、なんらかのデータ分析を行った場合、分析結果を図や表にまとめて整理することで、分析内容を読者に効果的に伝えることできるようになる。

多くの場合、図は統計分析ソフトで(本学群で「統計学1」の授業を受けると、Rという統計分析言語が使えるようになるので、Rで)図を作り、その図をLaTeXの文書に取り込むことになる。よって、まずは図は既にファイルとして持っていることを想定して、その図をLaTeXに取り込む方法を説明する。練習用の図をココ に置いておくので、ダウンロードして利用されたい。

Overleafで作成するLaTeXの文書に図を挿入するためには、以下のステップを踏む。

  1. 挿入したい図のファイルをOverleafのプロジェクトにアップロードする。
  • ここでは、Overleafプロジェクトに figs という名前のフォルダを作り、その中に図のファイルをアップロードすることにする。
  • 図はPDF形式で用意するのがよい(が、JPEG や PNG でも挿入できる)。
  1. LaTeX文書内に図を挿入するための命令を書く。

図を挿入するための基本的な命令は、

\includegraphics{ファイル名}

である。例えば、figsフォルダ内にある file1.pdf という名前の図を挿入したいときは、

\includegraphics{figs/file1.pdf}

とする。こうすると、元の図の大きさのまま、LaTeX文書に図が挿入される。

図の大きさを調整したいときは、

\includegraphics[scale=0.8]{figs/file1.pdf}

のように[]内で大きさを指定する。scale=x とすると、元の図のx倍の大きさに拡大・縮小される。上の例では0.8倍になる。 あるいは

\includegraphics[width=0.6\textwidth]{figs/file1.pdf}

とすると、図の幅 (width) が文章が表示される幅 (\textwidth) の0.6倍になる。もちろん、0.6の代わりに好きな数字を選ぶことができる。 文書の幅に合わせるのではなく、特定の単位で幅を決めることもできる。 例えば、

\includegraphics[width=10cm]{figs/file1.pdf}

とすれば、図の幅が10cmになる。幅の代わりに図の高さ (height) を指定することもできる。

上の方法で図を文書に挿入することができるが、図を文章に挿入する際には、図に通し番号を付けるのが文書作成の決まりとなっている。図が複数あるときは、それぞれの図に図1、図2、\(\dots\)という番号を付ける。 文書内に図が1つしかなくても、必ず「図1」という番号を付けなれけばならない。さらに、それぞれの図にはその図の内容を一言で表すタイトル(これを図のキャプション (caption)という)を付ける必要がある。

これらのルールを守るために、図 (figure) を挿入するときは、以下のようにする。

\begin{figure}
  \centering
  \includegraphics[scale=0.8\textwidth]{figs/file3.pdf}
  \caption{ファイル1の図の内容を表すタイトルをここに書く}
  \label{fig:3f}
\end{figure}

上のコードについて少し説明する。まず、\begin{figure}\end{figure} で囲んだfigure環境で図を挿入する場所を確保する。 次に、\centering と書くことで、挿入された図が文書の(左寄せではなく)中央に配置されるようにする。その後、\includegraphics で図のファイルを挿入する。 そして、\caption で図のタイトルを付ける。これを書くと、図の番号は自動的に割り当てられるので、図の番号を自分で書かなくてもよい(番号を書いてはいけない!)。 最後に、\label(ラベル)を使って、後でこの図に言及するときにラベルで呼び出せるようにする。このとき、これが図のラベルである(表や式のラベルではない)ことを明確にするため、fig: から始まるラベルを付けるとよいだろう。

上の方法で複数の図を挿入し、上の例にある図が文書内で3つ目の図だとすると、LaTeXがそれを自動的に「図3」として表示してくれる。図の位置を変えると、たとえば、2つ目の図と3つ目の図の挿入位置を交換すると、通し番号は自動的に「図3」から「図2」に変更されるので、書き手は図の通し番号を気にする必要はない。文中でこの図に言及したいときは、「図~\ref{fig:3f}は〜〜である」と入力する、「図2は〜〜である」のように正しい図番号とともに出力される。

5.3 TikZを用いた作図

単純な図であれば、TikZ を利用してLaTeXだけで作図することができる。 TikZを使うために、上で\usepackage{tikz}をプレアンブルに追加した。

基本的には、

\tikz\draw[->] (0,1) -- (1, 1);

のような命令を使って作図する。 上の例は、座標 (0, 1) から (1, 1) まで伸びる矢印 (->) を描く命令である。 行末にセミコロン ; が必要なので、忘れないようにされたい。

複数行にわたる命令を書きたいときは、

\begin{tikzpicture}[domain=0:4,samples=200,>=stealth]
  \draw[->] (-0.5,0) -- (4.2,0) node[right] {$x$};
  \draw[->] (0,-0.5) -- (0,4.2) node[above] {$y$};
  \draw plot (\x, {sqrt(\x)}) node[below] {$y=\sqrt{x}$};
  \draw (0,0) node[below left] {O};
\end{tikzpicture}

のように tikzpicure 環境を使う。 これをさらに図 (figure) として使う場合には、figure 環境と合わせて

\begin{figure}
  \centering
  \begin{tikzpicture}[domain=0:4,samples=200,>=stealth]
    \draw[->] (-0.5,0) -- (4.2,0) node[right] {$x$};
    \draw[->] (0,-0.5) -- (0,4.2) node[above] {$y$};
    \draw plot (\x, {sqrt(\x)}) node[below] {$y=\sqrt{x}$};
    \draw (0,0) node[below left] {O};
  \end{tikzpicture}
  \caption{ここにキャプションを書く}
  \label{ここでラベルを付ける}
\end{figure}

のように利用する。

TikZの基本的な使い方とその出力例は、今回の参考プロジェクト で確認されたい。また、TikZのさらに詳しい使い方については、あーるえぬ:大学数学のあれこれ を参照。

5.4 第7回の課題

Overleafで以下の問題に対する解答を作成し、解答を記したPDFファイル (拡張子が .pdf)を提出しなさい。その際、以下の注意を守ること。

  • 文書のタイトルを「数理セミナーI:課題7」にしなさい。
    • author に氏名(学籍番号)を記しなさい。
    • date に作成日を記しなさい。
  • 各問は節タイトルを付けて区別しなさい。
  • 提出期限:2025年12月17日(水)午後6時(日本時間) 提出不要(練習課題として各自で取り組んでください)
  • 提出方法:ファイルをメールに添付して担当教員に送信する

問1

  1. 好きな画像ファイル(数学に関係しないものでも可)を3つ選び、それをOverleafの文書に図 (figure) として挿入しなさい。
  2. それぞれの図にキャプションとラベルを付けなさい。
  3. それぞれの図の内容を1段落(1つの図につき1段落。合計3段落)で説明しなさい。その際、上で付けたラベルを利用してどの図についての説明かわかるようにしなさい。

問2

TikZを利用して、以下のそれぞれの式のグラフを描きなさい。それぞれの図に通し番号(4から6まで)と適切なキャプションを付けること。

  1. \(y = x^2 - 4x + 3 \qquad(-1 \leq x \leq 5)\)
  2. \(\displaystyle y=\frac{x}{x^2 + 1} \qquad(-5 \leq x \leq 5)\)
  3. \((x - 3)^2 + (y + 2)^2 = 9\)