はじめに

0.1 この資料について

この資料は、高知工科大学 (KUT) 経済・マネジメント学群で2020年度に開講する「計量経済学応用」の補助教材である。

受講生は、以下の3点に注意されたい。

  1. この資料は、授業の進捗にあわせてアップデートされる。
  • とりあえず、一通り書き終えた。 (2020-07-07)
  • 公開時点(2Q開始時点)では、すべてのトピックの説明が完成していない。
  • 各トピックの説明は順次追加する。
  • 一度アップロードしたトピックの内容を修正するときは、Slack でアナウンスする。
  • ただし、誤字・脱字等については気付いたらアナウンスせずに修正する。
  1. この資料以外の授業資料(解説音声付きスライドや配布資料など)は、KUTLMS (Moodle) にアップロードする。

  2. この資料以外に教科書が必要である。

0.2 履修条件

この授業は、「計量経済学」(とその前提となる「統計学2」)を履修済みであることを前提に進める。そのため、この授業(この資料)では:

  • 基本的な統計用語・統計量(例:分散、共分散、最小二乗推定量、有意水準)や基本的な手続き(例:仮説検定)は説明しない。
  • R とRStudio の基本的な使い方は説明しない。以下を思い出しておくこと。

これらの点に不安がある場合は、2Qの早い時期(6月の第3週頃まで)に自分で計量経済学の内容を学習(復習)するか、今年度の3Qに「計量経済学」を受講してから、来年度の「計量経済学応用」を受講すること。自分で学習する場合は、最低でも浅野正彦・矢内勇生『Rによる計量政治学』(2018年、オーム社)の第4章から第14章までの内容を学習すること。

0.3 R とRStudio のインストール

RとRStudio を自分のパソコンにインストールして使いたい場合は、私が作った以下の資料を参照されたい。

0.4 授業計画

以下の内容を扱う予定である(カッコ内は何回目の授業で扱うかの目安)。

  1. イントロダクション(第1回)
  2. セレクションバイアス(第2回)
  3. RCT(第3回)
  4. 回帰分析(第4回、第5回)
  5. 傾向スコア(第6回、第7回)
  6. 差分の差分法(第8回、第9回)
  7. 分析計画のプレゼンテーション(第10回)
  8. 回帰不連続デザイン(第11回、第12回)
  9. 操作変数法(第13回、第14回)
  10. 分析結果のプレゼンテーション(第15回)

各トピックの参考文献や予習課題については、シラバス(PDFファイル) を参照されたい。

この資料は上に挙げたトピック単位で作成している。各トピックに例として書かれたRコードは、トピックを途中から実行することを想定していない。たとえば、1.3.6節に書いてあるコードを実行するためには、トピック1の冒頭から 順番にRコードを実行する必要がある。途中のコードだけ実行しても動かない可能性が高い。

他方、各トピックは独立に実行できる。例えば、トピック3に書かれているコードを実行するために、トピック2に書かれたRコードを実行する必要はない。トピック3の冒頭から実行すれば十分である。 ただし、トピック1の内容は全員1度は実行済みであると仮定する。1度実行すれば、Rをインストールし直すか、バージョンアップするまで再度実行する必要はない。

License

The text of this work is licensed under the Creative Commons Attribution 4.0 International License. The R Code in this work is licensed under the MIT License.